最低限必要なワイングラスとは


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最低限必要なワイングラスとは

こん**は、風邪になったり治ったりを繰り返している@wine_and_webことhirok-kです。

ワイングラス、沢山種類ありますよね。それこそ数十種類もあったりしますが、そのワイングラスは揃える必要はあるのでしょうか。今回は最低限必要なグラスの選び方を場合分けでご紹介したいと思います。

ワインを楽しむためのグラスの条件

食器のお店などでは数限り無い種類のワイングラスが販売されています。
シンプルなものから、カッティングが施されたもの、そしてカラーリングがされたものなどなど。
それぞれにそれぞれの長所があるのですが、ワインそのものを、そして食事も美味しく楽しめるグラス、それにはいくつかの条件があります。

まず最初にそれを整理してみますと・・・

無色透明であること
ガラスそのものに色がついているものは、ワインの色合いを楽しむことができません
ワインを入れるボウル部分に無駄な装飾がないこと
ボウル部分にカッティングなどが入っていると、やはり本来のワインの色合いを楽しむことが出来ません
大きすぎず、小さすぎないこと
大きすぎると取り回しが不便ですし、小さすぎるとワインを回すことができなくなります
飲みやすいこと
ワインは飲み物だからこそ、飲みにくいグラスはありえません

この4にそれぞれ該当するグラスは確かに存在しますし、テーブルを飾るなどそれが活用できるシーンは確かに存在しますが、まずはこの4つを念頭においてください。

色付きカッティング入りワイングラスの一例

ワイングラスはどこのを選べばいいの?

グラスを販売しているところ、多いですよね。有名な所では、ロブマイヤーやバカラといった超高級レンジ、普及レンジから中高級レンジまで幅広いリーデルやショット・ツヴィーゼルなど、様々なブランドがあります。

代表的なブランドとその簡単な特徴は以下のとおりです。

ロブマイヤー
鉛を含まないカリクリスタルで非常に軽く薄いグラス
バカラ
鉛を含むクリスタルが使われ重厚感があるグラス
リーデル
ブドウ品種ごと価格帯ごとにマシンメイドから手作りまで様々なタイプがあるグラス
ショット・ツヴィーゼル
割れにくい特徴のあるガラスで価格帯ごと様々なタイプがあるグラス

ブランドを選ぶ際は、手作りとマシンメイドなどの違いはありこそすれ、品質の差は挙げた中にはほとんどないことから、価格で選ぶのはもちろんのこと、微妙な差異とはいえ形(曲線)の好みで選ぶのが良いでしょう。

高級店以外では通常リーデルまたはショット・ツヴィーゼルが多く見られることもあり、ロブマイヤーやバカラは1脚あたり2万円前後〜と非常に高価なため、ここでは例を挙げる際にはリーデルとショット・ツヴィーゼルの名称や型番をご紹介することにします。
リーデルのシリーズ名にヴィノムとワイン、ショット・ツヴィーゼルのシリーズ名にヴィーニャとクラシコというのが登場しますが、リーデルのヴィノムとショット・ツヴィーゼルのヴィーニャはその後者より高級なタイプとなります。
またボルドータイプ、ブルゴーニュタイプという言葉が出てきますが、このようなタイプをそれぞれ指すこととします。

ボルドータイプ、ブルゴーニュタイプの例

1種類だけで済ませたい方

この場合は汎用性の高いものを選ぶことになります。

  • テイスティンググラス
  • 少し小振りのボルドータイプグラス

この2つは非常に汎用性が高く、出来る限り種類を少なくしたい方には最適です。
赤白だけでなく、シャンパーニュを含むスパークリングも泡立ちは楽しめませんが、十分に味わうことができます。

テイスティンググラス
このグラスはテイスティング用に特化されたグラスで、基本的にはISOの規格に則ったものとなっています。
テイスティングに特化したものとなっていますが、もちろん通常の用途でも使用可能で、1脚あたり通常600〜700円前後で販売されていることもあり比較的リーズナブルなものになっています。
また6脚セットもあり、こちらは箱付きで販売されていますので、収納にも便利です。

国際規格準拠(INAO)テイスティンググラス G1640-6【6脚単位】

テイスティンググラスの一例

少し小振りのボルドータイプグラス
いわゆるシャルドネグラスです。
容量でいきますと300〜400ml程度のものが、これにあたります。これより小さいものですと使い勝手としてはテイスティンググラスと大きな違いがないこともあり、あまりお薦めできません。(テイスティンググラスの容量は210〜220ml程度です。)

リーデルでは

ヴィノム シャルドネ 2客セット (6416/5)
  カタログページ)

ヴィノム キアンティ・クラッシコ/リースリング・グラン・クリュ 2客セット (6416/15)
  カタログページ

ワイン ヴィオニエ/シャルドネ 2客セット (6448/5)
  カタログページ

ワイン ジンファンデル/リースリング 2客セット (6448/15)
  カタログページ

ショット・ツヴィーゼルでは

ヴィーニャ (110458)
  カタログページ

クラシコ (106219)
  カタログページ

などがそれにあたります。

ブドウ品種名が明記されていますが、それに拘る必要はありません。
1脚あたり1000〜3000円前後と比較的求めやすいかと思われますので、テイスティンググラスでは味気ないと思われる方にはこちらをおすすめします。

リーデルでの小振りのボルドータイプの例
ショット・ツヴィーゼルでの小振りのボルドータイプの例

2種類はしょうがないという方

2種類いけるとなりますと、ボルドータイプとブルゴーニュタイプの2種類をおすすめします。

  • ボルドータイプでは、白、泡もの、イタリアやスペイン、南仏系、そしてボルドーの赤を
  • ブルゴーニュタイプでは、偉大な白、ローヌの赤、そしてブルゴーニュの赤を

この2つでシャンパーニュやスパークリングで泡立ちを楽しみたい場合を除き、多くの場合に対応できます。

ドイツワインなど繊細さを極める白の場合ですとボルドータイプのグラスとなるのですが、ボウル部分が大きすぎると多少厳しいこともあり、このボルドータイプも先に紹介した容量が300〜400mlの少し小振りのボルドータイプがつぶしが利くためそちらをおすすめします。

ブルゴーニュグラスは、リーデルでは

ヴィノム ピノ・ノワール 2客セット (6416/7)
  カタログページ

ワイン ピノ・ノワール/ネッビオーロ 2客セット (6448/7)
  カタログページ

ショット・ツヴィーゼルでは

ヴィーニャ ブルゴーニュ (110499)
  カタログページ

クラシコ ブルゴーニュL (106227)
  カタログページ

などがこれにあたります。

リーデルでのブルゴーニュタイプの例
ショット・ツヴィーゼルでのブルゴーニュタイプの例

3種類でもいいよという方

3種類もあれば、一部の特殊なワイン以外はほぼ事足りますが、大きく分けて二通りの揃え方が考えられます。

  1. 先のボルドータイプ、ブルゴーニュタイプに加えて、シャンパーニュ用
  2. 通常のボルドータイプ、ブルゴーニュタイプ、そして小振りのボルドータイプ

シャンパーニュの立ち上る泡立ちをより楽しみたい方は1
ポートやリースリングをより楽しみたい方は2
それぞれお薦めします。

シャンパーニュ用グラスは、するっと細長いフルート型と少し膨らみをもたせたものの大別して2種類が存在しますが、前者はより立ち上る泡を目で楽しめ、後者は立ち上る泡が楽しめながらも香りを前者よりも楽しめるという特徴があります。

リーデルでは

ヴィノム シャンパーニュ 2客セット (6416/8)
  カタログページ

ヴィノム キュヴェ・プレスティージュ 2客セット (6416/48)
  カタログページ

ショット・ツヴィーゼルでは

ヴィーニャ フルートシャンパン (110488)
  カタログページ

ヴィーニャ シャンパンEP (111718)
  カタログページ

がこれにあたります。
お好みで選んでいただいて良いかと思いますが、個人的には後者の膨らみをもつタイプをお薦めします。

リーデルでのシャンパーニュグラスの例
ショット・ツヴィーゼルでのシャンパーニュグラスの例

なおシャンパーニュにはフルートグラスが定番とされていますが、生産者を訪問し試飲する際には通常のシャルドネ向けグラス(小振りのボルドータイプ)が多くの場合で使用されています。
シャンパーニュのwikiより詳しい簡単なまとめ[3]もぜひご覧ください。

またボルドータイプですが、リーデルでは

ヴィノム カベルネ・ソーヴィニヨン/メルロ 2客セット (6416/0)
  カタログページ

ワイン カベルネ/メルロ 2客セット (6448/0)
  カタログページ

ショット・ツヴィーゼルでは

ヴィーニャ ボルドー大 (110496)
  カタログページ

クラシコ ボルドー (106226)
  カタログページ

が当てはまります。こちらは先に紹介した小振りのボルドータイプよりも容量で200ml程度大きいものとなっています。

リーデルでのボルドータイプの例
ショット・ツヴィーゼルでのボルドータイプの例

それ以上でもいいという方

ここまできたらお分かりでしょう。そうです、4種類あればOKです。
シャンパーニュ、白、ブルゴーニュ赤、ボルドー赤、デザートワイン、いずれにも次の4種類で対応できます。

シャンパーニュ用、小振りのボルドータイプ、ボルドータイプ、ブルゴーニュタイプ

グラスの種類の上限を決めずに揃えたい方は、まずこの4種類から初めていただき、より楽しむために欲しいなというグラスを後から追加していくのが効率的です。
例えば、ブルゴーニュの偉大な白をより楽しみたい場合やドイツの偉大なリースリングをより楽しみたい場合などです。

リーデルでの4タイプのグラス例
ショット・ツヴィーゼルでの4タイプのグラス例

かかる費用

どれだけの種類を揃えると、どの程度の費用がかかるかを簡単にご紹介します。
それぞれペア2脚で購入した場合で試算しています。

種類 ブランド 概算費用(税抜)
1種類 (なし) テイスティンググラス
¥1,300〜
リーデル 小振りのボルドータイプ
¥4,000〜
ショット・ツヴィーゼル 小振りのボルドータイプ
¥2,800〜
2種類 リーデル ¥8,000〜
ショット・ツヴィーゼル ¥6,000〜
3種類 リーデル ¥12,000〜
ショット・ツヴィーゼル ¥8,800〜
4種類 リーデル ¥16,000〜
ショット・ツヴィーゼル ¥12,000〜

これを見ていただくとお分かりいただけるように、ワイングラス1種類あたりペアで3,000円〜4,000円程度かかることがお分かりいただけるかと思います。決して安いものではありませんので、グラスを購入した結果ワインを楽しめなくなるという事態にもなりかねません。それでは本末転倒ですので、購入の際はぜひ様々な角度から検討することをおすすめします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

市場に流通しているワイングラスは、ワインタイプ別だけでなく、品種別が多く見られ、更には○○用とワイン名をそのまま指定したグラスまで存在しています。

楽しみたいワインの数だけ揃えようと思えばグラスを揃えることは可能ですが、価格的な問題だけでなく収納の問題もありますので、皆さんそれぞれの好みでグラスを用意されてみてはいかがでしょうか。

その参考になれば幸いです。