こん**は、やっと花粉症が終わりを迎えかけている@wine_and_webことhirok-kです。
桜の季節がすぎ、まもなくゴールデンウィークを迎える頃になると気温も20度を頻繁に超えるようになり、ワインの保存状態が気になり始める頃合いです。そんなワインの最適な保存方法について考えてみたいと思います。
保存環境
ワインはその保存環境により劣化してしまうという、生鮮食料品にも似た特質をもっています。
もちろんワインの種類により、劣化のしにくいものやしやすいものの違いはありますが、過酷な環境では傷んでしまうことには違いはありません。
ワインの劣化に繋がる外的要因
ワインが劣化してしまう外的要因はいくつもありますが、その代表的なものを挙げますと次の4つとなります。
- 高温(または低温)
- 乾燥
- 長期間に渡る恒常的な振動
- 光
いずれもがワインの劣化につながりますが、精密機器などではないため、ある一定以上になると突然壊れるということはありません。徐々に劣化・変質していくと考えてください。
内的要因による劣化:ブショネ
ワインまたはワインボトルそのものに由来する劣化(変質)というものも存在します。これは理想的な環境下でワインを保存していても発生してしまうもので、ある意味で不可抗力といっても差し支えないものです。
代表的なものがコルクに由来するブショネと呼ばれるものですが、これはどのようなワインであってもコルク栓を使用しているものであれば、ある確率で発生してしまうもので、その確率は5〜7%と言われています。
理想的な環境
すでにワインに親しんでいる方にとっては常識となっているかもしれませんが、ワインの保存・熟成に理想的な環境を挙げてみます。
- 温度:10〜15℃
- 湿度:80%以上
- 振動:出来る限り無振動で
- 光:出来る限り暗く
そうです、暗くジメジメとした肌寒い場所がワインの保存・熟成に最適です。
逆にそういった場所は、ワインにとって最適な場所でもあります。
理想的な保存方法
春の終わりごろから秋の中ごろくらいまでの高温期、ワインをどのように保存するかが悩みのためではありますが、前節であげた環境を再現できるものには次のようなものがあります。
ワインセラー
家庭用・業務用として数本〜100本前後、最高200本前後まで収納できるものが市販されています。
仕様に記述されている本数は、棚を取り除き互い違いに隙間なく詰め込んだ場合となりますので、収納本数には注意が必要です。
価格は数万円〜数十万円程度と幅が広く、ワイン数や設置場所に応じて様々なタイプを選べるのが利点です。
ワインセラーを設置する際の注意
ワインセラーを設置する際は、耐荷重を確認する必要がある場合があります。
特にマンションなど集合住宅にお住まいの場合、設置できない、または設置しても荷重に耐えられない恐れがありますので、大容量のものを購入する際は事前の確認を行うことをおすすめします。
例えば、
100本入りのセラーにワインをめいっぱい詰めた場合、その重さは100〜120kg程度
200本入りのセラーにワインをめいっぱい詰めた場合、その重さは200〜250kg程度
またはこれ以上になる可能性があります。
目安としては、ウォーターベッドが置けるようであれば、設置が可能です。
設置の際は、板を置いた上にセラーを設置するなど、荷重を分散させる工夫をされることをおすすめします。
ワインセラーとワインクーラー
ワイン収納用の温度を一定にする機能と加湿機能がついたものがワインセラーと呼ばれていますが、それとは別にワインクーラーと呼ばれるものがあります。
ワインクーラーはその名の通り冷却することが大きな目的となっており、一般的には温度一定機能と加湿機能の両方とも、または一方のみしか付属していないものを指します。
この辺りの機能については、購入時に仕様を確認することで確認することが望ましいでしょう。
レンタルセラー
テラダ倉庫やエノテカなどでは、1ケースから預けることが可能なレンタルセラーサービスを行っています。この他にも同様のサービスがみられるため、収納場所の問題からセラー購入ができない場合などで検討してみてはいかがでしょう?
欠点としては必要なときにすぐに出し入れができないことが上げられますが、費用は1ケースあたり年間で数千円からとリーズナブルとなっているのが長所であり魅力となっています。
またこれ以外に、分譲/賃貸マンションのサービスの1つとしてレンタルセラーが付属している場合もあります。
定温倉庫ワイン預かりサービス1ケース(12本) 1年間預かり |
地下室
最もワイン保存に理想的と呼ばれているものが、この地下室での保存といわれています。
ワインの保存に最適な湿度、温度が再現しやすく、なおかつ居住空間を狭めることがないためです。
ですが、御存知の通り、その実現には多大な投資が必要となるため、一般的ではないこともまた事実です。
高温期以外の保存
秋〜春ごろまでの期間は気温も高くなく、温度としては劣化しにくい時期に当たります。
ですが、この時期であってもやはり気をつけておくに越したことはありません。
この期間に気をつけるべき点は以下のとおりです。
- 極端な温度変化がないこと
- 光、とくに直射日光があたらないこと
- 乾燥しにくいこと
これを実現するための簡単な場所と方法があります。
- 保存場所
- 次のような場所が、極端な温度変化や光をさけることが可能です。
・最も北(北西)にある押入の下の段
・台所収納で余り使用しない下の棚
・床下収納で横にしておける場所 - 保存方法
- 次のようにすることで、光と極端な乾燥をさけることが可能です。
・保存したいワインを新聞紙、アルミフォイル、ラップでボトル全体を巻く
・そのワインを寝かせて保存できる段ボール箱などに入れる
もちろん極端な低温(2〜4度以下)にならない、逆に高温(25度以上)にならない、振動がないなどを事前に確認することが必要です。
冷蔵庫での保存
冷蔵庫での保管はよく話題に上りますが、冷蔵庫の特徴を考えてみますと、約5度前後の温度と基本的に乾燥状態にあることが考えられます。
この温度と乾燥がやはりワインにとっては理想的な環境とはいえないことから、問題となります。
短期間であれば問題ありませんが、半年や年単位となると保存されているワインがこれにより痛んでしまう可能性が高くなってしまうため、その特性から考えるととても適した保存環境ではないというのが実情です。
ただし、現在販売されている冷蔵庫にはワインセラーまたはワインクーラー機能が付加されているタイプもあります。
まとめ
ワインの劣化を防ぐために、何よりもまず温度・湿度・光・振動に気をつけて保存しましょう。
特に夏場を越す必要がある場合は、ワインセラーまたはレンタルワインセラーの検討を行うなど、せっかくのワインを傷ませない方策を取るのが肝要です。
せっかく手に入れたワイン、きちんと休ませてあげて、少しでも美味しく楽しく飲みたいものですね。